地域研修を終えて(令和5年10月)
初期臨床医研修プログラムを行っている病院は、一般病床数300床以上、又は年間の入院患者実数が3000名以上を求められるため、該当医療圏の中でもかなり規模の大きい病院です初期臨床医研修プログラムを行っている病院は、一般病床数300床以上、又は年間の入院患者実数が3000名以上を求められるため、該当医療圏の中でもかなり規模の大きい病院です。
私の主たる研修先である大阪医科薬科大学病院もその例に漏れず、900床以上の病床数を稼働させております。更に、特定機能病院にも位置付けられているため、一般病院では対応できない怪我や病気、疾患に対応できる「高度の医療提供」が求められます。その性質上、必然的に急性期医療に偏り、患者様の生活自体に深く関わりを持つことや、地域の特性に応じた細かい配慮から少し離れてしまいがちなのが現実です。それだけを経験していては、医療全体の見通しは立ちません。
そのため、初期臨床医研修プログラムの中に地域医療研修があります。患者様の抱える重篤な疾患に対して的確な診療を選択できる力を身につけるだけではなく、患者様の生老病死全てに寄り添い、地域の特性に配慮した「人生そのものに寄り添う医療」を展開できるような医師になりたい。そんな目標を持って、町立別海病院で地域医療研修に取り組ませていただきました。
別海町は、面積では1320平方キロメートルと1905平方キロメートルの大阪府の7割程度ですが、人口は15000人程度と大阪府の人口密度の400分の1以下です。しかし、人口規模は違えども、人生のフェーズに大きな違いはありません。別海町には、民間病院は運営難より存在しませんが、公設の尾岱沼診療所、西春別診療所、そして町立別海病院の3本柱でその医療全てを賄っています。出産から終末医療まで全てを包括できるよう、より良い医療体制や最新医療への追求を怠らない、という医療人としての姿勢を学ぶことができました。
それだけではありません。健康を維持するためには、保健センターなどを活用した健診や予防医療も重要な役割を果たしてきます。生活習慣病などの患者母数が年々増えてきている昨今、病気になる前に解決する考え方が定着してきています。また、患者様の中には、急性期医療を乗り越えたものの、その後遺症や増悪寛解する病気と向き合いながら生活されている方も居られます。病院で完治する疾患の方が少ないのが現実です。家族の支えだけではなく、福祉の利用が不可欠となってきます。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などと連携をとることで、御家族のライフスタイルを維持しながら、生活の質を保つことが可能となります。別海町では、そういった保健福祉の連携もなされておりました。
一番印象に残ったのは、地域の特性に合わせた救急医療体制です。別海町は、その広大な面積の中に救急対応できる病院が町立別海病院だけという過酷な環境です。それ故、救急車での搬送だけでは、緊急性の高い脳卒中や急性感症候群、全身管理の必要な内科疾患、重症交通外傷などに時間的な面で対応に遅れが出てしまいます。しかし、同医療圏の救命救急センターと消防が連携しDrヘリを活用することで、搬送時間が大幅に減り、救命率の上昇や予後の改善に寄与しています。
普段の医療圏とは大きく違う部分がいくつもありましたが、それぞれに対応できる医療体制が確立されており、医療の面白さや深さを改めて実感することができました。1ヶ月という短い期間ではありましたが、指導いただいた先生方を始め、本当にありがとうございました。初期研修プログラムも終盤に差し掛かってきましたが、今一度、自分の将来の医師像を見直して、社会に対して貢献できる医師となれるように尽力していきたいと思います。
そのため、初期臨床医研修プログラムの中に地域医療研修があります。患者様の抱える重篤な疾患に対して的確な診療を選択できる力を身につけるだけではなく、患者様の生老病死全てに寄り添い、地域の特性に配慮した「人生そのものに寄り添う医療」を展開できるような医師になりたい。そんな目標を持って、町立別海病院で地域医療研修に取り組ませていただきました。
別海町は、面積では1320平方キロメートルと1905平方キロメートルの大阪府の7割程度ですが、人口は15000人程度と大阪府の人口密度の400分の1以下です。しかし、人口規模は違えども、人生のフェーズに大きな違いはありません。別海町には、民間病院は運営難より存在しませんが、公設の尾岱沼診療所、西春別診療所、そして町立別海病院の3本柱でその医療全てを賄っています。出産から終末医療まで全てを包括できるよう、より良い医療体制や最新医療への追求を怠らない、という医療人としての姿勢を学ぶことができました。
それだけではありません。健康を維持するためには、保健センターなどを活用した健診や予防医療も重要な役割を果たしてきます。生活習慣病などの患者母数が年々増えてきている昨今、病気になる前に解決する考え方が定着してきています。また、患者様の中には、急性期医療を乗り越えたものの、その後遺症や増悪寛解する病気と向き合いながら生活されている方も居られます。病院で完治する疾患の方が少ないのが現実です。家族の支えだけではなく、福祉の利用が不可欠となってきます。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などと連携をとることで、御家族のライフスタイルを維持しながら、生活の質を保つことが可能となります。別海町では、そういった保健福祉の連携もなされておりました。
一番印象に残ったのは、地域の特性に合わせた救急医療体制です。別海町は、その広大な面積の中に救急対応できる病院が町立別海病院だけという過酷な環境です。それ故、救急車での搬送だけでは、緊急性の高い脳卒中や急性感症候群、全身管理の必要な内科疾患、重症交通外傷などに時間的な面で対応に遅れが出てしまいます。しかし、同医療圏の救命救急センターと消防が連携しDrヘリを活用することで、搬送時間が大幅に減り、救命率の上昇や予後の改善に寄与しています。
普段の医療圏とは大きく違う部分がいくつもありましたが、それぞれに対応できる医療体制が確立されており、医療の面白さや深さを改めて実感することができました。1ヶ月という短い期間ではありましたが、指導いただいた先生方を始め、本当にありがとうございました。初期研修プログラムも終盤に差し掛かってきましたが、今一度、自分の将来の医師像を見直して、社会に対して貢献できる医師となれるように尽力していきたいと思います。
このページに関するお問合せ先
町立別海病院 TEL:0153-75-2311 FAX:0153-75-2974